平和な世界は簡単にできる その6
(その5からのつづき)
個人的あるいは社会的な諸問題の解決には対処療法的解決法と根本療法的解決法とがあります。
例のタバコ問題で言えば、ガマンの禁煙は、強いて言えば、非常に成功率の低い対処療法的解決法であり、タバコをきっぱりやめることは成功率100%の根本療法的解決法であると言えるでしょう。
では、その具体的な違いはどこにあるのでしょうか?
まず、ガマンの禁煙の場合には、本音の部分ではタバコにはなくてはならないメリットがあると思っています。だから、本音ではタバコを吸いたくて仕方がありません。それをたとえば健康に良くないという理由で、精神力でガマンして抑え込もうとするのですから、大変な頑張りが必要です。それでタバコがやめられたという人がいないわけではないのですが、失敗に終わる場合がほとんどです。
それに対して、タバコをきっぱりやめる場合には、それまではタバコを吸ってきたのですが、タバコにはメリットは一つもなく、あるのはデメリットばかりだというタバコの正体に気づいたのです。だから、本音で、タバコなんかバカバカしくて絶対に吸いたくないと思っています。ですから、やめようと決断した瞬間から、何の未練も葛藤もなく、すっきりとタバコをやめることができるのです。そして、二度とタバコを吸いたいと思うことはありません。
ですから、私たちが個人的、社会的な諸問題の解決を目指す場合には、当然、タバコをきっぱりとやめるという根本療法的解決法に習うことが重要です。
たとえば、“怒り”の問題を考えてみましょう。
「腹が立つのは人間の本能であり当然だ」とほとんどの人が、本音の部分で思っているようです。だから、誰かが自分の思い通りにしないような場合に腹を立ててしまうのです。タバコで言えば、「喫煙」です。
しかし、同時に、腹を立てるのはよくない、ガマンしなさい、と宗教や道徳や人生訓、あるいは、教育の場などでも繰り返し指摘されてきました。
それで、本音の部分では腹が立つのは当然だと思いながらも、それを表に出すとマズイので、腹を立てたいのを精神力でガマンして抑える。ですから、実に、大変です。タバコで言えば、「ガマンの禁煙」です。
でも、本当に、腹が立つのは当り前のことなのでしょうか?
腹が立っている時に、自分は気分が良いという人はまずいないでしょう。自分の気持ちが悪い、相手も気分が悪い。下手をすると、とんでもない事態になるかもしれない。こんな怒りの正体と実態を丁寧に検べてみると、怒りには何のメリットもないことが分かります。(分からないという人は分かるまで検べてみることをお勧めします。)
それが、はっきりすれば、どんな状況であろうと、本音で、バカバカしくて腹を立てる気にもならないでしょう。だから、もう二度と腹が立たないことを確かめれば、その瞬間から、何の未練もなく、永久に怒りから解放されるのです。それはタバコで言えば、「タバコをきっぱりやめる」ということです。これが怒りの根本療法的解決です。
このように、世界平和の実現を目指すネホサもそうですが、根本療法的解決法こそ諸問題に対する、まさに現実的で容易な方法なのです。
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